~農業経営モデルを技術面で支える~
現代農業は戦後の農地改革以降、各地域での作物別営農体系の普及により「儲かる」モデルが数多く構築されております。
しかし、部分的には便利な農業機械を使用するものの、栽培管理やそのノウハウについてはほとんどが「熟練農業者の労力と経験」によって築かれていると言っても過言ではありません。
そうした熟練の技が光る農業従事者も今や平均約67歳、二次産業、三次産業に比べても高齢で、あと10年もすれば大多数が引退することは疑う余地がありません。
そして、その時に農地を引き継ぐ次世代の担い手は現状深刻に不足しております。
目下農林水産省をはじめ、一次産業の未来のために様々な対策が講じられており、特に令和元年度より「スマート農業」とよばれる各技術の現場実装(普及)を加速させようと大きな事業が始まっております。
世の中にはこの10年でドローンなやGPS自動運転などの新しい技術が完成している一方、費用対効果含め農業者の手が出る状況になっておりません。
様々な地域で声を聞くと、何とかして現状の農山漁村の衰退を止めたい、そのために農業参入したいという意思のある個人法人も多くおられます。
熟練者でない彼らが、単なる農地の引き受けでなく、今後の持続的な農業経営、ひいては地域生産性を維持していくためには、省力化など新しい技術を取り入れていく必要があります。
次世代一次産業実践所は、こうした地域のニーズに対し、求められる技術シーズとのマッチング、行政を巻き込んだ事業化を通じ、新たな農業スタイルの提案と実践を進めていきます。スマート農業実現に向けたシーズ例
スマート農業実現に向けたシーズ例
省力化のためのロボティクス | データを活用した農業 | 省力的営農設計 |
自立走行運搬台車、ドローン、索道等 | 気象観測、圃場カメラ、解析、経営管理ソフト 技術伝承、教育ツール:AI学習解析、画像等の蓄積 | SoBiC展開、果樹仕立て(作業機械ベース配置) |
スマート農業実証事例
- 「柑橘類の超省力・早期成園化実証を通した持続的中山間農業構築モデル事業」高知県北川村【果2G07】
- ロボティクス⇒ドローン(薬散、撮影)、索道運搬システム、 運搬台車、ロボットアーム
- データ農業⇒気象センサ、定点カメラ(画像認識)、農業者位置情報
- 技術伝承、教育⇒果実画像認識(摘果診断)、作業目線カメラ